SLEの治療と
中長期マネジメント

薬による治療が
中心となるSLE

全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus: SLE)であらわれる症状は多岐にわたり、患者さんによって異なるものです。そのため、治療方法は個々の患者さんの疾患活動性の状態や、臓器へあらわれている影響の種類や程度などに応じて決められます。SLEでは薬による治療が中心に行われますが、十分な効果が得られなかったり、副作用が強く出てしまったりするときなどには、治療薬の量や種類を変えたり、他の治療方法が検討されます。

治療によって「疾患活動性」を
コントロールすることが
大切です

SLE患者さんにあらわれるさまざまな症状の強さは、軽くなったり重くなったりを繰り返すため、常に一定ではありません。免疫の異常による攻撃の勢いが強い状態を「疾患活動性が高い」といい、反対に攻撃の勢いが弱い状態を「疾患活動性が低い」といいます。疾患活動性の状態は個人差が大きく、疾患活動性の高さや症状のあらわれ方は患者さんによって異なります。

SLEは、疾患活動性が一定以下の状態を維持する「寛解」と、再度疾患活動性が高くなる「再燃」を繰り返しながら、慢性の経過をたどります。そのため、SLEでは適切な治療により「疾患活動性」をコントロールし、①疾患活動性をできるだけ低く抑えること、②再燃の回数を減らすことが重要です。それにより、臓器への影響の発現や進行を抑えることを目指します。

①疾患活動性をできるだけ低く抑える②再燃の回数を減らす臓器への影響の発現や進行を抑える

疾患活動性のコントロール(イメージ図)