日常生活における
注意点
SLE患者さんが
日常生活で気をつけたいこと
全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus: SLE)は、症状が治まっているときでも、その状態を保つために治療を継続していく必要があります。治療を安定して継続できるように、SLE患者さんに日常生活で気をつけていただきたいことを紹介します。
- 外出時には紫外線対策を忘れずに
- 日光(紫外線)を浴びると皮膚症状が悪化することがあります。外出するときは、日焼け止めを塗る、長袖の服を着るなどして肌の露出を減らす、帽子をかぶる、日傘をさすなど、日差しをできるだけ避けるように注意が必要です。
- けがや肌への刺激に注意
- SLE患者さんは、肌が弱り、傷つきやすくなっています。肌が傷ついた場合は化膿しやすくなるので、けがをしないよう注意が必要です。また、指先や手に発疹などが出ている場合は、洗剤やせっけんが素手に触れないようにゴム手袋を着用するなどの対策を行い、手洗いをするときはなるべく温水を使います。
- 必要に応じて安静を
- 疲れやストレスは、SLEの症状を悪化させることがあるのでためないことが大切です。「疲れやすい」「休んでも疲れがとれない」といったときは無理をせず、安静を心がけ、特に疾患活動性が高い時期は安静が必要です。また、旅行に行くときは、体調を考慮に入れ、無理のない計画を立てることがすすめられます。
- 健康的な生活習慣
- 栄養バランスのとれた食事を心がけます。腎臓や心臓など臓器への影響が出て、症状があらわれている場合は、食事内容に注意が必要なことがあるので、医師への相談が必要です。適度なウォーキングや水泳などの運動は、関節の強化につながるので、医師に相談した上で取り組むことがすすめられます。ただし、関節に痛みや腫れ、関節炎などの症状があらわれているときは、長時間の歩行や運動は控えます。睡眠不足は症状の悪化を招きやすいので、しっかりと睡眠をとることも必要です。
- 感染症対策を十分に
- SLE患者さんは、治療で服用する治療薬によって細菌やウイルスなどに対する免疫のはたらきが抑えられてしまうため、感染症にかかりやすくなることがあります。手洗い、うがい、マスクの着用を心がけ、必要に応じて予防接種を受けるなどして、感染症対策が必要です。また、予防接種を受ける際には、事前に医師に相談をすることがすすめられます。インフルエンザなどの流行期には、人混みはなるべく避けるように注意します。
- 症状の急変や体調の変化を
見逃さない - ふだん過ごしているなかで、これまでに経験したことがない症状や体調の変化があらわれたときは、すみやかに医師へ相談することがすすめられます。