SLEって
どんな病気?

免疫機能の異常によって
全身のさまざまな臓器に
炎症が起こるSLE

全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus: SLE)は、全身のさまざまな臓器に炎症が起こる自己免疫性疾患(膠原病(こうげんびょう))の一つです。SLEを含む自己免疫性疾患では、細菌やウイルスなどから自分の体を守るはたらきをしているはずの免疫機能に異常が生じ、自分自身の体を異物と判断して攻撃してしまいます。その結果、体のあちこちで炎症が起こります。

SLEは国の指定難病の一つであり、長い期間にわたってつきあっていく必要がある病気です。

SLEによって炎症が起こる仕組み

20~40歳代に多く、
患者さんの約9割が女性

日本では6~10万人ほどのSLE患者さんがいるといわれており、その約9割を女性が占め、約1割が男性です(※1)。SLEは子どもから高齢者まですべての年齢で発症しますが、特に月経が始まってから終わるまでの期間の発症が目立ちます(※1)。また最近では、高齢で発症する患者さんも増えてきています(※1)(※1):難病情報センターホームページ(2023年9月現在)から引用

SLEの発症には環境要因と
遺伝要因が関係

SLEがなぜ起こるのか――。いまのところ詳しい原因はわかっていませんが、環境要因と遺伝要因が積み重なって発症しやすい状態になると考えられています。発症のきっかけとなる環境要因には、日光(紫外線)、ウイルス感染、けが、手術、ホルモン(月経・妊娠・出産)、薬剤などがあります。家族にSLE患者さんがいない人よりも、いる人のほうが発症しやすいといわれていますが、遺伝要因がすべてで発症するわけではありません。

SLE発症の要因